贖罪 「ハオ、御免なさい!身寄りのない私を孤児院から引き取って育ててくれたのは言葉では言い尽くせないほど感謝してる!でも、私は───」 自分の心を偽ってハオとは結婚できない 恩を仇で返すとはこの事を言うのか 身体の倍以上ある純白の羽を出しさめざめと泣いて謝る葉にハオは苛立ちを覚える。 両親を失った事によりそれまでの暮らしとは一転してひもじい思いをして孤児院にいた葉を見初めて自分の伴侶にしたいと思ったハオは、 その日のうちに教会から奪い去るようにして引き取り厳しく躾ながらも大切に育ててきた。 蛹が長い冬を越して蝶になるように、固く閉じていた蕾が花を咲かせるように、 葉が年頃の娘になるのを自分はどれほど待ち望んだ事か。 それなのに葉は自分の宮殿に仕える蓮を好きだと言うのだ。 火を司る五大天使の一人である自分より位も力も低い、吹けば飛ぶようなちっぽけな存在である蓮が───。 「葉・・・・・・・・」 トンガリがチャームポイント(^^)の蓮が、大理石の床に座って泣き続けている葉を抱き締める。 「レ・・・・・ン?蓮!」 ギリッ 抱擁しあう二人を見て知らず知らずのうちにハオは握り締めていた拳をさらに強く握ると 爪で傷ついた掌から血が流れ憎悪が心に渦巻いていく─────。 ああそうか 僕の心に渦巻く憎悪の炎を消すには二人に償ってもらえばいいんだ 「葉。お前は蓮の事が好きで蓮は葉の事が好きなんだろ?好きな者同士が一緒になるのは人間も魔族も・・・・・そして天使も同じ事だ」 「ハオ!?それじゃあ───」 一緒になってもいいのだと思った蓮と、今まで一度として自分をお前と言わなかったハオをおかしいと思いながらも葉は喜びを顔に出してひしっと抱き合う。 「でもね、お前達にはそれなりに償いをしてもらわなきゃいけない」 蓮には自分から葉を奪った罪を 葉には自分を裏切った罪を 「今からその罪を償ってもらうよ───」 スピリット・オブ・ファイア 「えっ?きゃあああああ」 「うわあああああ」 蓮から引き離され動けないように後ろから抱き締められ、 五大天使だけが持つ事を許されている精霊の掌に握られている蓮を見た葉は悲鳴を上げる。 「蓮!!」 「どこに行くつもり?」 「どこって・・・・・蓮を助けに行くに決まってるじゃない!!!」 骨の軋む音が、苦痛の悲鳴が嫌でも聞こえるので、ハオの腕の中にいる葉が優しい目を無理やり吊り上げ身を捩って駆け寄ろうとする。 「このまま蓮のとこに行ってもいいと思ってるの?もし葉がここから一歩でも動いたらスピリット・オブ・ファイアが蓮を握りつぶしちゃうよ」 「な・・・んで?何で五大天使であるハオがこんな事をするの!!?」 ハオと蓮では実力が天地ほどの差があるって言うのに!!! 「言っただろ?お前達には罪を償ってもらうと」 スピリット・オブ・ファイア、そいつを握りつぶしちゃえ 「うっ・・・ぐっ・・・ぐあああああっっっ」 ハオが再び精霊の名前を呼びめそう命令すると、命令どおりにスピリット・オブ・ファイアはさらに蓮を強く握り締め、 断末魔の悲鳴が上がり、その悲鳴が葉の胸に深く突き刺さる。 「やだ!やだ!ハオ、止めて!何でもする!私に出来る事なら何でもする!だからこれ以上・・・・・・蓮にひどい事しないで───」 「何でもねぇ・・・・・。本当に何でもしてくれるの?」 ハオに縋るように泣いていた葉が首を縦に振る。 「へぇ〜っ。じゃあ───」 絹のように滑らかな生地で出来た白い服を引き裂くと、驚愕している葉を乱暴に組み伏せて押し倒した。 「いやっ!ハオッ!何を・・・何を・・・・・・」 馬乗りにして葉の身体を組み敷き、下半身を覆う下着を剥ぎ取ると、勢いに任せて激しく乱暴に潤ってもいない秘部に指を這わせまざくり弄ぶ。 「抵抗したら蓮がどうなるか解ってるの?」 「あっ・・・・・」 “蓮”という言葉に、それまで必死で抵抗してハオの手を振り解こうとしていた葉は大人しくなる。 気に入らないと思いつつもハオは濡れてもいない花唇に先端を押し付け無理やり奥へと捩じり込んでいく。 「ひぃっ!いやあああああ!!!痛いっ!痛いよ・・・・・」 零れ落ちていく涙も痛々しく、葉が喉の奥から絞り出すような悲鳴を上げて羽を動かして身体を仰け反らせる。 床に爪を立てて、自分の中に侵入している楔に必死に抗っている。 「葉!!ハオ、これ以上葉を傷つけるのは止めてくれ!俺を殺して気が済むと言うのなら俺を殺せばいい!!!」 くっ! 自分の目の前で恋人を犯されている蓮は自分を殺せばいいと言ってせめて葉を助けたいのだが、 如何せん、蓮はスピリット・オブ・ファイアに身体を押さえつけられているので助ける事もままならず、己の不甲斐なさに拳を叩くだけだ。 「・・・・・蓮、ちゃんと見とけよ。お前が顔を背けてると葉が痛い思いをするんだぞ」 「あぐっ!くっ・・・ふぁ・・・ひぁっ!」 抽送を繰り返していると顔を苦痛に歪ませ髪を振り乱してもがき苦しみ身体ごと大きく揺れる。 「あ・・・あ・・・レ、蓮・・・・・」 掠れた声で自分の名前ではなく蓮を呼ぶ葉に苛立ちを隠せないハオは、ただの道具のように葉の中に精を放つ。 内腿に伝う血と力なく嗚咽している葉を見て僅かに後悔の念に駆られたハオだったが、 自分を裏切ったという思いの方が遥かに勝っていたのでうつ伏せになっている葉の腰を高く上げ後蕾に楔を押し当て突き刺していく。 「ひぃ・・・っ───。あ・・・いや・・・・・・」 葉の口から上がる断末魔の悲鳴を心地よさそうに聞き、蓮がながらも、尚、狭い内部を抉るように深々と腰を進める。 激痛に意識が失いそうになるが、ハオはそれを許さないで髪を掴むと葉の意識を苦痛の現実に戻した。 「気を失うなんて許さないよ」 言うが早いか、ギリギリまで楔を引き抜いてはうっすらと血が滲んでいる後蕾へ強引に打ち込んだ。 「い・・・いや・・・ぁ・・・」 苦痛から逃れようと手を伸ばし空気を掴む。何も掴んでいないその手は床に落ち、堪えるように指を立てると爪が傷ついていく。 「くっ・・・いやだ・・・・・・」 襲いくる激痛に大粒の涙が零れ落ちるが、葉に対して憐憫の情が湧かなくなっている今のハオはそれに見向きもせずに 己が満足する為だけに腰を早く動かした。 「よ・・・葉!葉!」 スピリット・オブ・ファイアが消えた事によりやっと身体が動かせるようになった蓮は身体が痛いのも我慢して、 無残な姿で倒れている葉の元に慌てて駆けつける。花唇からも花蕾からも血と精が伝い、 羽に、全身に精が撒き散らされているにも関わらず、 上着を脱いだ蓮はそれを虚ろな目をして表情を崩さない葉に被せて抱き締めてやる。 「葉・・・・・・。例え葉がどれほどの屈辱を受けようとも俺にとって葉は葉だ」 葉が汚れていると言うのだったら俺も一緒に汚れてやる お前の罪は俺の罪 一緒に背負ってやる 泣き喚きたいのを必死で堪え蓮が訴えるが、それでも蓮の心の叫びは葉の心には届かなかった。 もしこのまま葉が戻らなかったら? 生まれて初めて大切なものを失う恐怖に、蓮は葉の身体をきつく抱き締め形振り構わず叫んだ。 葉 と───。 「・・・・・・レ・・・ン?」 虚ろだった瞳に生気が宿り意識を現実に戻した葉が掠れた声で蓮の名前を呼ぶ。 「葉?葉!」 蓮の唇が労わるように葉の唇に重なる。 最初で最後の口付け 「あっ・・・」 「よ・・・よ・・・う?」 ハオが投げた小刀が風を切り葉の心臓を貫く。 「あ・・・レ、レン───」 血を吐きながら蓮の名前を呟いた葉は軽く微笑むと、そのまま崩れ落ち息絶えた。葉の身体が聖なる炎に包まれて燃えていき無に還っていく。 「お前ら、馬鹿な奴だよ。葉も大人しく僕と結婚しとけば蝶よ花よと可愛がったのに。蓮も汚れた葉をそのまま捨てておけば葉を死なせずに済ませたのに」 いや そもそもお前のような奴が葉を好きになったのが間違いなんだ 「き・・・貴様!」 身体が軋むように痛いのだがそれに構わないで蓮は自分達に屈辱を与えたハオを宝雷剣で襲う。 例え五大天使であるハオに敵わなくてもせめて一矢報いたい それだけの思いが蓮を動かしているのだ。 「くっ!」 ハオが軽く手を払っただけで炎の風が生まれ蓮を円柱の柱に叩きつける。 「そんな小っちぇえ力で僕を襲おうなんて千年早いよ?それに安心しな。僕はもうすぐ堕天する」 暗雲が立ち込め雷が鳴り稲妻が光り、天が・・・ハオの宮殿が揺れ音を立てて崩れていく。 誰かが堕天する時には必ず起きる予兆。 姦淫の罪 同胞の殺害の罪 天使なら決してしてはいけない罪を犯したハオは天界にはいられない。 五大天使に相応しく輝くような純白だった翼はもう既に闇のような漆黒の翼に変化している。 黒い翼は堕天使の証 艶やかに笑い黒い翼を蓮に見せるハオは、自分が今まで見てきたどのハオよりも美しく聖なる存在にしていた。 「じゃあね、蓮」 あっ! 葉の魂は再生の間に飛ばしといたから、運がよければ僕もお前もいずれ生まれ変わった葉と会う事が出来るかもね 地震で火山が噴火して大地が裂け津波が起こり稲妻が落ち、 呆然としている蓮の前でハオが高らかな笑い声を上げて魔界へと堕ちていく。 数百年後の天界に、一人の天使の女の赤ん坊が生まれた事を男はハオに報告する。 親はその天使を“葉”と名付けた事を その天使は、あの“葉”の生まれ変わりだと 男からそれを聞いたハオは楽しそうに笑う。 「へぇ〜・・・。じゃあ僕が堕天するきっかけを作った“葉”にはいずれその罪を償ってもらわなきゃね」 遊ちゃ様の裏のキリリクで頂きました。 裏小説vv遊ちゃ様の書かれる小説は本当に萌えですvハオ様が鬼畜にカッコイイ! しかも葉君は「葉ちゃん」です。なので女の子! 蓮ぼっちゃまと葉ちゃんがラブラブで嫉妬するハオ様、もうまさにリクエスト通りv 素敵な小説、どうも有難う御座います! |